塗料・塗膜形成技術

割れ

塗装トラブルと対策
【割れ】  
英語名:cracking, checking, crazing

欠陥用語 割れ
英語名 cracking, checking, crazing
類語 クラッキング、チェッキング、ひびわれ、きれつ、クレージング
発生工程 乾燥・硬化、屋外環境
現象

塗膜に裂け目ができること。
割れ目が素地まで達しているもの(深割れ、クラッキング)、素地まで達していないもの(浅割れ、チェッキング)、塗膜表面に浅く交錯した割れ(ひび割れ、クレージング)などがある。

塗装トラブルと対策【割れ】

発生原因 A:被塗物状態
・素材の吸込みが大きい。(木製品の場合)
・素材の含水率が高い。(木製品の場合)
・素材の膨張係数が大きい。
・下塗りの乾燥が不完全である。
・下塗りのほうが上塗塗膜より柔らかい。
・攪拌の下塗塗料が塗装されていた。
C:塗料
・希釈溶剤の溶解カが強すぎる。
・硬化剤の量が少なすぎる、または多すぎる。
・顔料の含有率が高すぎる。
・塗料の耐候性が不足している。
E:塗装条件
・塗膜が厚すぎるか、または薄すぎる。
G:乾焼・硬化条件
・塗膜を急激に加熱した。
・乾燥が不足している。
・希釈溶剤が炉内にこもった状態で乾燥した。
H:その他
・周囲温度が高すぎるか、または低すぎる。
・強い紫外線にさらされた。
対策方法 ・下塗りにシーラーを使用する。
・合水率を下げる。(12%以下)
・素材と塗膜の膨張係数を一致させるよう塗料を選択する。
・下塗りの乾燥を十分に行う。
・上下塗膜の伸びを同じにするように塗料を選択する。
・攪拌を十分に行った後、塗装を行う。
・溶解カの弱い希釈溶剤を使用する。
・硬化剤を規定量配合する。
・含有率を減らした塗料を使用する。
・耐候性の良い塗料を使用する。
・塗膜を適切な厚さで塗装する。
・昇温を緩やかにする。
・十分に乾燥する。
・通風をよくして溶剤蒸気を十分除去する。
・適正な周囲温度で塗装を行う。(5~30℃)
・強い紫外線に長時間さらされないようにする。
確認方法及び使用機器 目視(日本塗料協会、ASTM、ISOなどの写真判定)
対策商品 攪拌機 膜厚計 ミニテスト 炉内温度計 イージートラック、XL

 

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